大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(オ)581 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人弁護士大脇英夫の上告理由第一点及び第二点について。

しかし、記録を閲するに、第一審判決の事実摘示の部には原告らの主張事実とし

て「三、前項の約定が詐欺に因る意思表示でないとしても、A1を親身になつて扶

養することの条件であつたのに被告は扶養しないから条件不成就に因り右契約は無

効である」(以下省略)とあり、右に対し被告(被上告人)の答弁として、「原告

らの三の主張事実は否認する、すなわち被告は契約の通り契約当日よりA1を引取

り扶養し来つたのであるが後記の如くその後においてA1は被告の扶養に応じない

のであるから条件不成就の責任は被告にはない」とあり、次いで、原審冒頭の口頭

弁論期日である昭和三一年五月二五日の口頭弁論において控訴人ら(右原告ら)の

訴訟代理人は原判決事実摘示のとおり第一審における口頭弁論の結果を陳述してい

ることが明らかであるから所論が争のないものとしている事実は当事者双方に争が

あつたものと認めざるを得ない。そして、このように請求原因事実につき争のある

場合に、裁判所は当事者双方の主張に現われない事実、本件について言えば原告ら

は停止条件附贈与契約であると主張し被告は然らずと云つてこれを否認(停止条件

が不成就に了つたというが如きは否認に外ならない)した場合に裁判所は右は負担

附贈与契約であると認定し、延いて請求原因事実が認められないと判示することは

毫も妨げないものと解すべきであり、そして、この点に関する原判決挙示の証拠に

照合すれば右贈与契約が判示のように負担附贈与契約であると認められないわけの

ものでもない。所論はひつきよう独自の所見に基くかあるいは事実認定に関する原

審の専権行使を非難するに外ならないものであつて、いずれも採るを得ない。

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なお、A2の原審における訴訟代理人弁護士大脇英夫は上告の代理権限を有して

いたことが記録上明らかであるから、A2が本件上告の申立前死亡したからといつ

て、直ちに訴訟手続の中断を生ずるわけのものではなく、従つて、本件上告はA2

及びA1の両名の為めその効力を有するものと認めるを相当とする。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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